健康志向の高まりや世界の食糧問題を解決することを目的として、プラントベースフードが注目されています。しかし、日本ではプラントベースフードという言葉は一般的ではなく、まだまだ知名度が高いとはいえない状況です。
そこで今回の記事では、プラントベースフードとは何か、代表的なプラントベースフードの一例もあわせて紹介しましょう。
プラントベースフードとは
プラントベースフードとは、動物性の原料を使用することなく、植物性の原料のみで製造された食品のことを指します。たとえば、ハムやソーセージなどの原料は動物の肉ですが、これを使用することなく植物性の原料を加工して食感や風味を近づけた食品が続々と登場しています。
動物性の原料を使用しないと聞くと、ビーガン(ヴィーガン)を連想する方も多いでしょう。完全菜食主義者であるビーガン(ヴィーガン)の場合、肉や魚介類はもちろんのこと、卵や乳製品、はちみつなども口にすることはありません。しかし、プラントベースフードはこれらを一切排除することはなく、穀物や野菜、果物、ナッツ、植物性オイルなどを中心にしながら、乳製品や卵などを取り入れることも可能です。
代表的なプラントベースフード
植物性の原料を加工したプラントベースフードとは、具体的にどのようなものがあるのでしょうか。現在販売されている代表的なプラントベースフードを4種類紹介しましょう。
大豆ミート
大豆ミートとはその名の通り、大豆を原料としたプラントベースフードです。代替肉ともよばれ、原料は大豆でありながらも肉独特の食感や風味を持ち合わせています。
カップ麺に入っているサイコロ状のミンチ肉も大豆を原料として製造されており、広い意味では大豆ミートに含まれます。また、近年では大豆ミートを使用した惣菜やおつまみなども販売されるようになりました。
豆乳
大豆を原料とした豆乳もプラントベースフードといえるでしょう。牛乳の代替品としてさまざまな乳製品に使用されており、最近では豆乳を原料としたヨーグルトやチーズなども販売されるようになりました。
豆乳は牛乳と比較してもタンパク質が豊富で、脂質や炭水化物、エネルギーも抑えられているため健康維持にメリットがあります。
アーモンドミルク
アーモンドミルクは日本人にとってなじみの低い食品でしたが、プラントベースフードが注目されるようになったことでコンビニやスーパーなどでも目にする機会が増えてきました。その名の通りアーモンドを原料とした乳飲料であり、牛乳と異なりコレステロールを含まないため健康にも良いです。
海外では日本の豆乳のようにポピュラーな飲み物であり、宗教上の理由で動物性食品が摂れない場合に牛乳の代替として用いられることが多いようです。
オーツミルク
オーツミルクとは、オーツ麦を原料とした乳飲料です。オーツ麦はオートミールの原料としても知られており、オーツミルクとオーツミールは風味も似ています。アーモンドミルクと同様、オーツミルクも海外ではポピュラーな飲み物であり、さまざまな理由で牛乳を口にできないときに代替品として用いられてきました。
プラントベースフードが注目されている理由
世界でプラントベースフードが注目されている背景には、健康志向が高まっていることはもちろんですが、SDGsで掲げられている課題を解決する目的もあります。
地球温暖化の原因となる温室効果ガスは、工場や自動車などから排出される二酸化炭素が主な原因として知られていますが、実はこれ以外にも家畜の排泄物から発生するメタンや一酸化二窒素も一定の割合を占めています。動物性食品からプラントベースフードへの移行が進めば、家畜の頭数も減少し温室効果ガスの抑制にもつながると期待されます。
また、世界的に見て人口は増加傾向にあり、今後食糧危機が到来するリスクが指摘されていることも事実。地球温暖化が加速すると異常気象が起こり、自然災害の発生によって食糧不足に陥る可能性もあるでしょう。このような未来を見据えたとき、持続的かつ安定的に食糧を確保するためにもプラントベースフードが注目されています。