バランスの良い食生活を送ることは健康への第一歩ですが、地球環境保護にも間接的に貢献できることをご存知でしょうか。現在、多くの国々で注目され、実践者が増加しているミートフリーマンデーという取り組みがあります。
これは「週に1回、肉類を食べない」という取り組みですが、なぜそれが地球環境保護につながるのでしょうか。今回はミートフリーマンデーについて詳しく解説します。
ミートフリーマンデーとは
ミートフリーマンデーとはその名の通り、毎週月曜日の食事に肉を取り入れないようにする運動のことを指します。
そもそもミートフリーマンデーが始まったのは今から10年以上前の2009年で、元ビートルズのベーシスト ポール・マッカートニー氏とその娘であるステラ・マッカートニー氏によってスタートしました。
ポール・マッカートニー親子は、2006年に国連が発表したレポートを目にし、畜産動物の飼育によって多くのメタンガスが発生し、それが地球温暖化に影響していることを知りました。温暖化の原因といえば、工場や発電所、自動車などから排出される二酸化炭素を連想する方が多く、自然環境のなかで飼育されている畜産動物がメタンガスの発生源で温暖化にも影響しているという事実は意外に感じる方がほとんどではないでしょうか。
ポール・マッカートニー氏もそのなかのひとりであり、当時は大きな衝撃を受けたといいます。これが契機となり、少しでも環境問題を解決すべく毎週月曜日をミートフリーの日、すなわち肉を口にしない日に定めたうえで活動をはじめました。
ミートフリーマンデーを実践する理由・目的
ミートフリーマンデーを実践している人の目的はさまざまです。具体的にどのような目的で実践しているのか、3つの例を紹介しましょう。
環境保護のため
もっとも大きな目的として挙げられるのが地球環境保護です。上記でも紹介したとおり、ポール・マッカートニー氏がミートフリーマンデーを実践するようになったのは地球温暖化防止がきっかけです。そのため、ポール・マッカートニー氏の理念に共感しミートフリーマンデーを実践している人も少なくありません。
飢餓をなくすため
畜産動物を育てるためには、餌となる大量の穀物や水が不可欠です。しかし、世界的な人口増加にともない、今後深刻な食糧不足が懸念されていることも事実。畜産動物の飼育量を減らすことができれば、動物の餌として栽培する穀物の量も減り、その分を飢餓に苦しむ人に分配することもできるのです。
健康維持のため
動物性たんぱく質が豊富な肉類は、わたしたちの身体づくりのために重要な食品です。しかし、毎日のように肉類ばかりを摂取していると、消化器系に負担がかかるほか大腸がんをはじめとした重篤な病気にかかるリスクが高まるとされています。
肉類を減らすことで野菜や果物などの摂取量アップにもつながるため、健康維持を目的としてミートフリーマンデーに取り組む人も多いようです。
世界に広がるミートフリーマンデー
肉を食べないと聞くとベジタリアンやヴィーガンを連想する方も多いですが、週に1日だけ野菜や果物を中心とした食生活を心がけるミートフリーマンデーは、栄養バランス的にも取り組みやすいものといえるでしょう。
そのため、ミートフリーマンデーは世界45カ国以上に広がっています。日本ではミートフリーマンデー・オールジャパン(MFMAJ)という団体が活動しており、さまざまなイベントを定期的に実施。さらに、内閣府や東京都では職員食堂で肉類を使用しないベジタリアン向けの食事も提供しています。