ミネラルは私たちの健康を維持するために不可欠な栄養素です。しかし、一口にミネラルといってもさまざまな成分があり、サプリメントによって摂取している方も多いのではないでしょうか。
今回は、ミネラルを補給するためには食品とサプリメントのどちらが有効なのかを比較・検証してみました。
1日に必要なミネラルの摂取量
ミネラルとは日本語で無機質ともよばれ、私たちの身体の機能を維持するために欠かせない栄養素のひとつです。代表的なものにはナトリウムやカリウム、マグネシウムのほか、カルシウムや鉄といったおなじみの栄養素も含まれます。
ミネラルが不足すると、子どもの場合は成長が促進されず発育が遅れてしまったり、大人になると骨が脆くなったり慢性的な疲労感、倦怠感などの症状が現れることも。
1日に必要なミネラルの量は男性と女性、そして年齢によっても変わってきますが、参考までに30〜49歳の男女にとっての必要摂取量は以下の通りです。
男性 | 女性 | |
ナトリウム | 7.5g未満 | 6.5g未満 |
カリウム | 3,000mg以上 | 2,600mg以上 |
カルシウム | 750mg | 650mg |
マグネシウム | 370mg | 290mg |
リン | 1,000mg | 800mg |
鉄 | 7.5mg | 10.5mg |
亜鉛 | 11mg | 8mg |
銅 | 0.9mg | 0.7mg |
マンガン | 4.0mg | 3.5mg |
上記のうち、ナトリウムは主に食塩・塩分のことを指し、高血圧や腎臓病を防ぐためにも摂取量の目標上限が決められています。また、カルシウムやリン、鉄、亜鉛なども1日あたりの耐容上限量が決められているものの、多くの現代人にとっては不足しがちな栄養素として知られています。
ミネラルの摂取量を食品に換算すると?
では、上記の目標数値をクリアしミネラル不足を補うためには、1日にどの程度の食事を摂る必要があるのでしょうか。栄養素ごとに食品の量に換算してみましょう。
なお、今回はミネラルのなかでも不足しがちな栄養素として、カリウム・カルシウム・マグネシウム・リン・鉄・亜鉛の6項目に絞って解説します。
男性 | 女性 | |
カリウム | ・切り干し大90g ・アボカド4個 ・ほうれん草450g | ・切り干し大根80g ・アボカド3.5個 ・ほうれん草400g |
カルシウム | ・牛乳750ml ・ヨーグルト600g ・豆腐900g | ・牛乳600ml ・ヨーグルト550g ・豆腐800g |
マグネシウム | ・玄米800g ・そば1400g ・落花生370g | ・玄米600g ・そば1100g ・落花生290g |
リン | ・干しエビ100g ・玄米800g ・チーズ140g | ・干しエビ80g ・玄米600g ・チーズ110g |
鉄 | ・豚レバー80g ・ホタテ500g ・ビーフジャーキー160g | ・豚レバー60g ・ホタテ350g ・ビーフジャーキー100g |
亜鉛 | ・牡蠣90g ・豚レバー150g | ・牡蠣60g ・豚レバー120g |
上記にまとめたように、すべてのミネラルを十分に摂取しようとすると多くの食品が必要であり、これらを毎日継続的に口にするとなると現実的ではないと感じられるでしょう。
サプリに含まれるミネラルの量
食事だけでは不足しがちなミネラルを効率的に補給する方法として、サプリメントの活用があります。ドラッグストアやネット通販などで手軽に購入できるマルチミネラルサプリには、どの程度の成分が配合されているのでしょうか。
A社製マルチミネラルサプリ | B社製マルチミネラルサプリ | |
カリウム | – | – |
カルシウム | 250mg | 250mg |
マグネシウム | 125mg | 125mg |
リン | – | – |
鉄 | 7.5mg | 4.0mg |
亜鉛 | 6.0mg | 6.0mg |
その他成分 | ・銅 0.6mg ・セレン 30.2μg ・クロム 28.3μg ・マンガン 1.5mg ・ヨウ素 50.8μg ・モリブデン 10.5μg | ・ナトリウム 0~2mg ・銅 0.6mg ・セレン 50μg ・クロム 20μg |